猫を飼うとたくさんの幸せと生活のうるおいを貰えますよね。
その代わりに、猫を優先することで生活に制限は発生します。
今回はその中でも飼い主の旅行や出張、帰省といった外出に伴って発生する【猫を預けなければいけない】という問題に対して、解決する選択肢とそれぞれの注意点、預け先を決めるときのポイントを解説していきます。
mokuji
猫の預け先ってそんなに重要?
実際に猫を飼っていない方にはよくわからない問題かもしれません。
でも、飼って一緒に生活している家族を預けると考えると、【家族には健康的になるべく快適に過ごしてもらいたい】と多くの飼い主さんが思う事と思います。
その猫に合わない預け先をチョイスしてしまうと、ごはんやお水が進まずに健康を害してしまう、誤飲などの事故にあってしまう。。。など怖い想像はいくらでもできてしまいます。
ひどい場合には将来的にも病院に通ったり、薬に頼ったり、さらには命にも直結する問題です。
多くの猫ちゃんを実際にあずかって、お世話している、現役の猫専門ペットホテルの愛玩動物飼養管理士だからこそ言える預け先としてのポイントを徹底解説!
どんな選択をするにもいざという時に預けられるように事前に検討して泊めてみたりトライをして本当に愛猫に合った選択かを吟味する必要があります。
今回の記事を読んで、いざという時のためのシミュレーションをしてみてください。
猫の預け先を探す際のポイント
まず、預け先を検討するにあたって重要なことは【預ける期間】と【猫の健康状態・性格】に合った預け先かどうかです。
【預ける期間】
猫の場合、一般的に24時間以内であればお留守番をすることができるといわれています。
とはいえ、猫の年齢によっては特別なケアが必要で24時間もひとりにはしておけない場合もあります。
子猫の場合はカリカリをふやかさないと食べられない、シニア猫や持病のある猫ではお薬を服用する必要がある、といった事情があるといった場合です。
ほかにもひとりきりのお留守番では誤飲や事故のリスクがどんな猫にも伴います。
そのリスクをへらすためには自宅の大きな改装や猫への深い理解が必要になります。
特に多い事故がおもちゃや小銭、電池やクリップなど自宅に置いてある普通の物を誤飲してしまう事故です。
こういったものは、片付けて置けば基本的には防げます。
それ以外にも、電源コードを齧ってしまったり、高所からの落下による骨折など、防ぐことがなかなか難しい事故もあることを理解してください。
2日以上の外出の場合は「ペットホテルに預ける」ことがベターでしょう。
【預ける期間】によって、猫の健康にどのような影響が発生するのか、という健康への深刻度が変わってきます。
1週間以上などの長期の預かりの場合、猫の異変が放置されると大きな病気や問題につながりやすくなります。
病院であれば、猫の異変があったときに対処はしてくれます。
しかし、異変があってから対処をするとなると、猫にとってはすでに大きな負担がかかっている状態となります。
そういった点において、病気にならないようなケアをしてくれるペットホテルを探すことをおすすめします。
具体的には、猫のお水やごはんの摂取量やおトイレの回数・状態を専門的な知識を持った人が管理して臨機応変に対応できる施設を選んでください。
これらのポイントが猫の健康状態に直結してくるパラメータとなります。
ほかにも猫自身を観察することで発見される異変もあります。
ペットホテルの中でも、不調を隠すことが上手な猫をしっかり見てくれるホテルかどうか預ける前にしっかり確認しましょう!
また、長期になればなるほど、猫の心へのケアが必要になります。
個室内でも猫が運動ができる、ストレスを発散できる構造や広い場所で遊ぶ機会があるか、が大きなポイントになります。
飼い主さんの会えない・慣れない環境で過ごすだけで猫にとって大きなストレスがかかっています。
その中でケアがなければ、当然のことながら猫は心に大きな傷を負います。
心の不調は体にも悪影響なだけでなく、お家に帰ってからもすぐに治らない場合があります。
「遊んでほしい」、「撫でて欲しい」、「日向ぼっこがしたい」、「静かにしてほしい」、それぞれの猫の欲求が満たされる必要があるのです。
どこにお泊りをするにしてもお金はかかりますが、健康を害した結果発生する医療費を考えると安いとも考えられます。健康はお金では買えないですしね。
【猫の健康状態】
前述したとおり、猫の年齢や健康状態によっては特別なケアが必要になります。
そういった場合は、必然的にそれぞれのケアに対応してくれる施設を選ぶ必要があります。
動物病院やペットホテルでもそれぞれ対応しているケアや月齢が異なります。
事前に必要なケアを説明して対応できるか絶対確認しましょう!
例として、ネコシアが運営している猫専門ペットホテル ネコト(Neko&)では生後2ヶ月の仔猫ちゃんから20歳以上の超シニア猫ちゃんまでそれぞれの猫ちゃんの状態をヒアリングした上で安全に安心してお預けいただけるかを各ケースで検討して対応しております。
必要なお世話が適切にできる病院やホテルを選んであげてください!
薬の服用や注射など、事前に相談をすることでプロとしてできる提案もあるので、相談してみることで見えるポイントもあるかもしれません。
相談した際に、「親身になってくれる」と感じることも選ぶ上でのポイントになるかもしれませんね。
病院でしかできないお世話やホテルでしかできないお世話があります。
また、ご宿泊前は特に猫の体調に注目してあげてください。
少しでも普段と違う動作や兆候があればかかりつけの動物病院さんで事前に「お泊りができる体調か」を相談してもよいと思います。
体調が悪い状態で無理にお泊りをすると環境の変化によるストレスで大きく悪化することも考えられます。
また、免疫が落ちている状態では、キャリア猫の場合は普段顕現していない症状が発現するリスクもあります。
ぜひ、お泊り自体の再検討や臨機応変な対応を心がけましょう。
【猫の性格】
猫の性格は十にゃん十色。全く異なります。
それに伴って、必要なケアが変わってくるのです。
例えば、寂しがり屋な猫の場合、飼い主が外出している間、ごはんやお水の摂取量が減ってしまいます。
ほかにも、飼い主がいない時には普段しないようないたずらをしてしまう猫も多いです。
そういった猫には、定期的に人が触れ合う、遊べる空間やお世話が必要になってきます。
特に大型猫やオリエンタルな猫の場合は、運動量が必要になるので個室内やプレイスペースなどで遊べることが重要になってきます。
ペットホテルの中でも設備やサービスにおいて重点を置いている部分が異なるので愛猫に合ったホテルを探しましょう。
また、怖がりな猫、他の動物や飼い主以外の人間が怖い猫には猫専門のペットホテルをおすすめします。
通常のペットホテルではどうしても犬などの声やニオイ、音がしてしまうことで怖がりな猫は動けずに固まってしまいます。
また、怖がりな猫の気持ちを理解して正しく接することができる人間のお世話が必要です。
その点において猫専門ペットホテルは、猫のスペシャリストによる猫だけのためのケアが期待できます。
怖がりな猫もそういったお泊りの経験を繰り返すことで社会性を獲得して、柔軟になる傾向があります。
逆に言えば、大きな音や不適切なケアをされるお泊りによってトラウマができてしまうとお泊り自体に恐怖を覚えしまい、これからのお泊りにも影響が出てしまいます。
飼い主の入院や出張、被災など、どうしても預けなくてはいけない・環境が変わるというトラブルは誰にでも起こりえます。
そういった時の影響を最小限にするためにもお泊りに良い印象を持ってもらうことがメリットになることがあります。
もしもの場合の預け先を決めておく、事前に泊まってみることもおすすめです。
泊めてみないとわからない愛猫の反応や特徴もあります。ぜひ、愛猫にマッチした預け先を見つけてあげましょう。
ペットホテルや動物病院以外の選択肢
ここまではペットホテルと動物病院のおすすめをしました。
ここからは他にも多くの選択肢があることをそれぞれの注意点を踏まえて説明します。
ペットシッター
ペットシッターを雇うことも選択肢のひとつです。
自宅に来て、猫の世話をしてくれるので、猫は自分の環境で過ごせて、新しい環境で過ごすよりもストレスが軽減されることがあります。
シッターさんがくる時間も限定的で他の生き物もいないのでマイペースな猫にはとてもオススメと言えます。
ただ、シッターさんは限られた時間だけしか猫を見られないので異変に気が付くことができない場合もあります。寂しがりな猫の場合は満足できない場合もあります。
また、基本的には猫が安全に過ごせる環境を自身で自宅で作り上げる必要があります。前述した電源コードなどのカバーや棚などの移動など、飼い主への負担は大きいでしょう。
エアコンなど使って温度や湿度も猫が快適に過ごしてくれる環境を作ってください。
信頼性の高いペットシッターを見つけ、ペットが安心して預けられるようにしましょう。
ただ、ペットシッターは個人に依存する傾向があります。ずっと依頼して信頼していたシッターさんが辞めてしまったりというリスクが伴うことも頭に入れておきましょう。
ペット同伴宿泊施設
これは旅行の場合に限られますが、最近増えているペットと泊まれるホテルを選ぶという方法があります。
家族である愛猫と一緒にお泊りをして思い出を共有できるというメリットがあります。
猫にとっても飼い主と離れないで一緒にいられるということがいい場合もあります。
ただ、これは猫の性格によって向き不向きが大きく分かれます。
環境が変わっても飼い主が一緒にいることで心が安定してごはんを食べてくれる猫もいます。
でも多くの猫の場合、水やごはんが進まなくなるリスクが大きいです。
これは、環境が大きく変わることと、長距離の移動が影響します。
ペット同伴の宿泊ができる施設は郊外のペンション型が多い傾向にあります。飼い主の旅行も合わせて考えると移動距離が長くなることが懸念されます。
猫は平衡感覚が鋭い分、車酔いをしやすいという特徴があります。
また、車では特に身動きが思うように取れないことと車内の温度設定などの影響で熱中症になる猫もいます。
猫ファーストに気を付けて移動や施設の設備を確認しましょう。
友達や家族に預ける
一番気楽で融通が利く選択肢かもしれません。
ただ、これはあまりオススメできる選択肢とは正直言えません。
第一に多くの場合、友達や家族は猫のことを知らない素人であることを前提に依頼する必要があります。
動物を飼っている場合、その家庭の動物との相性を確認する必要があります。実際に預けてみてから相性が悪いことがわかってもお互いに困ってしまうだけになります。
飼っていない場合には、まずその家庭で猫が安全に過ごせるか確認する必要があります。危険がある場合は事前に改善を依頼する必要があり、猫を飼ったことがない人がそのリスクを事前に把握することはとても難しいです。
猫を飼ったことがあったとしても、猫によって性格もできることもぞれぞれです。改めて、注意点やお願い事は事前にすり合わせましょう。
また、動物に対するプロでもない友人や家族には、猫に何かあったときの対応はできないと思った方がいいです。
できるだけ、日々の猫の様子を教えてもらうことと併せて、注意してほしい症状やかかりつけの動物病院の情報のシェアをしましょう。
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